「お尻を床にこすりつけてる…何これ?」——ベルが1歳を過ぎた頃、そんな場面を初めて目撃しました。トリマーさんに相談したところ「肛門腺が溜まってるんですよ」と言われ、「肛門腺って何?」から始まった私のケア遍歴です。バーニーズに限らず全犬種に必要なケアですが、意外と知られていないのでこの記事で詳しく解説します。
肛門腺(肛門嚢)とは何か
肛門腺(正式には肛門嚢)は犬の肛門の左右(時計で言う4時・8時の位置)に一対存在する袋状の分泌腺です。独特の強いにおいのある分泌液(アポクリン分泌物)が溜まり、排便時に自然に排出されます。この分泌液はマーキングや個体識別に使われると言われています。
問題が起きるのは、この分泌液が自然に排出されずに溜まりすぎてしまうときです。炎症・破裂・感染症(肛門嚢炎)に発展すると、外科的処置が必要になることもあります。
肛門腺が詰まっているサイン
- お尻を床や地面にこすりつける(スクーティング):最もわかりやすいサイン
- 尻尾の付け根やお尻周辺をしきりになめる・かむ
- お尻から独特の強いにおいがする
- お尻を触ると痛がる・嫌がる
- 排便時に不自然に力む
⚠️ 肛門嚢炎・破裂に注意
放置すると肛門腺が炎症を起こし(肛門嚢炎)、最悪の場合破裂します。お尻周辺に膿・出血・腫れが見られる場合は緊急で受診してください。破裂後の感染症治療は長期にわたることがあります。
肛門腺絞りの適切な頻度
犬によって溜まりやすさは全く異なります。1〜2ヶ月に1回が一般的な目安ですが、溜まりやすい体質の子は月1回以上必要なことも、逆にほとんど溜まらない子もいます。
大型犬のバーニーズは体格があり肛門腺の位置が奥にあることが多く、自分で処理するより獣医師やトリマーに定期的にお願いするのが安全です。ベルは2ヶ月に1回のトリミング時についでにやってもらっています。
自宅での肛門腺絞りの方法
慣れれば自宅でも行えますが、初回は必ず動物病院やトリマーに教えてもらいながら行うことを強くおすすめします。やり方を間違えると肛門腺を傷つけることがあります。
外側絞り(入門向け)の手順
- ティッシュまたはガーゼを多めに用意し、においが強烈なため換気できる場所(浴室など)で行う
- 犬を立たせるか横に寝かせる
- 肛門の左右(4時・8時の位置)をガーゼ越しに親指と人差し指で挟み、肛門に向かってやさしく押し込むように圧迫する
- 液が出てきたらティッシュやガーゼで受け取る
- 血や膿が混じっていたり、全く出てこない場合は無理せず病院へ
分泌液は黄褐色〜灰色で強烈なにおいがします。服についたら取れにくいため、専用のエプロンや古着を着用して行いましょう。
肛門腺トラブルを予防するには
適切な食事と便の硬さ
便が適切な硬さで出ることが、排便時に自然と肛門腺を圧迫して排出を助けます。下痢が続く犬は自然排出が難しくなるため、食物繊維を含むフードで便の質を整えることが予防につながります。
適度な運動
運動不足は便秘気味になり、肛門腺の自然排出が減ることがあります。バーニーズの場合は毎日の十分な散歩を続けることが消化器全般の健康につながります。
定期的なトリミング時に確認してもらう
月1〜2回のトリミングを利用しているなら、毎回肛門腺のチェックをトリマーにお願いしましょう。プロの目で見てもらうことで、炎症の初期段階に気づいてもらえることがあります。
肛門腺のトラブルを防ぐための生活習慣
肛門腺の詰まりを防ぐためには、いくつかの生活習慣が役立ちます。まず「適切な食事」です。食物繊維が豊富なフードを与えることで便が適度な硬さになり、排便のたびに肛門腺が自然に絞れやすくなります。逆に下痢や軟便が続くと排泄時の圧力が不足し、肛門腺に分泌物が溜まりやすくなります。
次に「適度な運動」です。毎日の散歩はストレス解消だけでなく、排便のリズムを整える効果もあります。肛門腺トラブルは肥満の犬に多い傾向があるため、体重管理も予防につながります。「尻もちをついてお尻を地面にこすりつける(スクーティング)」「お尻を気にして振り返る・噛む」といったサインが続く場合は早めに動物病院へ。
自分で肛門腺絞りをする方法
自宅で肛門腺絞りを行う際は、まず犬を落ち着いた姿勢(立ったまま・または横向き)にします。お尻の近くを片手で保持し、もう一方の手の親指と人差し指を肛門の両端(時計の4時・8時の位置)に当て、やさしく内側に向けて圧を加えます。分泌物が出たらティッシュやペーパータオルで受け止めましょう。
初回は動物病院やトリミングサロンでやり方を見せてもらってから練習するとスムーズです。無理に絞ろうとすると犬が痛がったり、腺を傷つけたりすることがあるため、難しい場合はプロに任せることをためらわないでください。月1〜2回のケアを継続することで肛門腺炎などのトラブルを予防できます。
Q. 肛門腺絞りはどのくらいの頻度で行うべきですか?
一般的には月1〜2回が目安です。ただし犬によって分泌量が異なるため、スクーティング(お尻こすり)などのサインが出るようなら早めに行いましょう。問題なく自然に排出されている犬には定期的な絞りは必要ない場合もあります。
Q. 肛門腺が炎症を起こした場合の症状は?
肛門腺炎の主な症状は「お尻の周りの腫れ・赤み・痛み」「お尻を激しくなめる・噛む」「座るのを嫌がる」「スクーティング(お尻こすり)の頻繁化」などです。悪化すると肛門腺嚢が破れて膿が出ることもあります(肛門腺嚢炎・肛門腺嚢破裂)。これらの症状が見られた場合はすぐに動物病院へ。自宅での処置は傷口を広げる原因になるため、必ずプロに任せてください。
Q. 肛門腺絞りはトリミングサロンでも頼めますか?
はい、多くのトリミングサロンでは肛門腺絞りをオプションメニューとして提供しています。シャンプー・トリミングと合わせて依頼すると効率的です。ただしサロンによっては外肛門絞り(肛門の外側から絞る)のみ行い、内肛門絞り(肛門内部からより深く絞る)は行わない場合があります。深部に分泌物が溜まりがちな犬は動物病院で行ってもらうとより確実です。
Q. 肛門腺を手術で取り除くことはできますか?
反復する肛門腺炎・嚢腫・腫瘍などが繰り返す場合、獣医師の判断で肛門腺を外科的に切除することがあります。手術は全身麻酔下で行われ、リスク・メリットを十分に話し合った上で決定します。日常的な定期的なケアで予防できることがほとんどなので、まずは適切なメンテナンスを継続しましょう。
肛門腺の問題を予防する食事とライフスタイル
肛門腺の詰まりや炎症は「便の硬さ」と密接に関係しています。硬めの便(コロコロした便)は排便時に肛門腺への適度な圧力をかけ、自然な排泄を促します。食物繊維が豊富なフードやカボチャ・さつまいもなどの野菜の少量添加が便の硬さを整えるのに役立ちます。
肥満も肛門腺トラブルのリスクを高めます。過体重になると肛門周囲の筋肉が弱まり、排便時の圧力が不足しやすくなります。バーニーズの適切な体重管理は関節・心臓だけでなく、肛門腺の健康にも関係しています。日々の体重チェックと適切な食事量の管理を続けましょう。
Q. 子犬のうちから肛門腺のケアは必要ですか?
子犬のうちは肛門腺の分泌量が少ないため、問題が起きることは稀です。ただし早いうちから「お尻周りを触られることへの慣れ」をつけておくと、成犬になってから肛門腺絞りを行う際に犬が嫌がりにくくなります。シャンプー時や毎日のブラッシングのついでにお尻周りを触る習慣をつけましょう。
日頃から犬のお尻周りに触れることに慣れさせておくことが、肛門腺ケアをスムーズにする近道です。ケアの際はご褒美を使いながら穏やかに進め、犬に「お尻を触られても怖くない・痛くない」という経験を積み重ねましょう。定期的なケアが肛門腺炎・肛門腺嚢破裂などのトラブル予防につながります。
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まとめ
✅ バーニーズの肛門腺ケア ポイントまとめ
①スクーティング(お尻こすりつけ)は肛門腺が溜まっているサイン、②1〜2ヶ月に1回が目安(体質によって異なる)、③自宅で行う場合は最初に獣医師・トリマーに教わってから、④血・膿・腫れがある場合は緊急受診、⑤適切な食事・運動・定期トリミングで予防する


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